こんにちはコーヤです。
このページでは線形代数の定番問題である行列の対角化を4ステップに分けて勉強します。
対角化の計算の流れ
まずは対角化の計算の流れから見ていきます。具体的な計算はページ後半でやります。
2次の行列
固有値、固有ベクトルは以下の式を満たすものでした。
これを行列の形で表現すると
ここで
とすると
となります。
これで対角化完了です。右辺の成分が対角の部分以外0になっています。
式をスッキリさせるために
とおいて
と表現されることが多いです。
対角化の計算4ステップ
それでは対角化計算の具体例を見ていきます。4ステップです。
- 固有値と固有ベクトルを求める
- 対角化可能か判定する
- 変換行列
を作る - 逆行列
を計算する
以下の行列
Step1. 固有値と固有ベクトルを求める
行列
これより固有値、固有ベクトルは
です。
Step2. 対角化可能か判定する
もし
今回対角化したい行列
対角行列
となります。
Step3. 変換行列 を作る
変換行列
線形独立な固有ベクトルは求まっているのですぐに
詳細は省きますが、固有ベクトルが0にならなければ任意定数はどんな値で対角化しても同じ結果になるので、計算が楽になるようにテキトーに
任意定数の値の決め方の方針は主に2種類あります。
- 変換行列が計算しやすいようテキトーに決める
- 固有ベクトルを正規化する任意定数の値を求める
対角化が目的ならテキトーに決めても正規化してもOKです。(計算を楽にするためにテキトーに決めるのがほとんどです。)
主軸変換のための対角化が目的の場合は正規化する必要があります。詳しくは対称行列の対角化のページで勉強します。
今回は
とします。冒頭で紹介したとおり変換行列
ですので
となります。固有ベクトルの並べ方は画像で見ると分かりやすいと思います。

Step4. 逆行列 を計算する
となります。
最終的に対角化の式
となり対角化完了です。
まとめ
行列の対角化は4ステップです。
- 固有値と固有ベクトルを求める
- 対角化可能か判定する
- 変換行列
を作る - 逆行列
を計算する
対角化の式は以下の式です。
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