こんにちはコーヤです。
このページでは、無限が絡む積分を計算する広義積分の計算方法を勉強します。
広義積分の使い所
広義積分は不連続な関数、有界でない関数の積分を計算する方法です。主に無限が絡む以下の2つの場面で使用します。
- 積分区間が無限のとき
- 積分区間内で被積分関数が無限になるとき
それぞれのパターンを見ていきましょう。
パターン1. 積分区間が無限のとき
積分区間に無限があるときは、積分区間をひとまず

図の色がついた面積
パターン2. 積分区間内で被積分関数が無限になるとき
積分区間内で被積分関数が無限になるときは、積分区間をひとまず

図の色がついた面積
広義積分の収束判定
広義積分が直接計算できない場合は収束判定を行います。
- 積分区間が無限のとき
- 積分区間内で被積分関数が無限になるとき
それぞれのパターンで収束判定の計算が異なります。
パターン1. 積分区間が無限のとき
収束判定の定義
収束判定の定義は以下のとおりです。
区間
を満たすような
は絶対収束する。
例題1
が絶対収束するためには、区間
を満たせばよいです。例えば
とすると
となり、
となります。
以上より
例題2
が絶対収束するためには、区間
を満たせばよいですが
のように
となり、
となるので、定数
以上より
パターン2. 積分区間内で被積分関数が無限になるとき
収束判定の定義
収束判定の定義は以下のとおりです。
区間
を満たすような
は絶対収束する。
例題3
が絶対収束するためには、区間
を満たせばよいです。例えば
とすると
となり、
となります。
以上より
例題4
が絶対収束するためには、区間
を満たせばよいですが
のように
となり、
となるので、定数
以上より
コーシーの主値
このように計算するのは間違いです。積分区間の
正しくは
と2つの文字で計算しないといけません。
例題5
このように不定形になります。
例題6
これも不定形になります。
上記の例題5,6のように、広義積分は2つの文字を使うと値を計算できなくなることが多いです。
これを解消するために「コーシーの主値」という特別ルールを採用する場合があります。
例題5のように積分区間が
例題6のように被積分関数が
この特別ルールで積分の値を計算する場合はインテグラルの前に
例題5(コーシーの主値)
例題6(コーシーの主値)
このようにコーシーの主値を使うと値が求まります。

置換積分と広義積分の相性
置換積分を駆使しながら積分値を求めるとき、広義積分で使う
こういった積分です。
こういう場合は最初に収束判定を行うと計算しやすくなります。収束すると分かれば
や を使わずに計算できる- 積分値を
など文字をつかって表現できる
といったメリットがあります。
計算過程を実際に見たほうがメリットが伝わると思うので、上記2つの積分を解いているページをご覧ください。1つ目の例はガウス積分のページ、2つ目の例は積分腕試しのページで解いています。
まとめ
- 積分区間が無限のとき
- 積分区間内で被積分関数が無限になるとき
このような場合は広義積分で計算します。
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