こんにちはコーヤです。
このページではランクの求め方を勉強します。連立方程式の分野で重要な自由度や、線形空間の分野で重要な像空間の次元など、ランクが役立つ場面はたくさんあります。
ランクの求め方
行列のランクを求めるためには階段行列が必要です。
階段行列のイメージはこんな感じです。
厳密にこの例を見るというより、左下に0を固めてくイメージが伝われば大丈夫です。
階段行列をつくったら0以外の成分が含まれている行数を数えます。
上の例だと
階段行列の具体例
階段行列さえ作れればランクは行数を数えるだけです。
階段行列を作るとき、つまり左下に0を固めるときに使うのが行基本変形と列基本変形です。
基本変形のおさらいです。基本変形には3つのルールがあります。
- 2つの行or列を入れ替える
- 1つの行or列をスカラー倍する
- 1つの行or列をスカラー倍して他の行or列に足す
詳しくは行基本変形のページをご覧ください。
それでは具体例3つで階段行列を作る練習をしましょう。
具体例1
まずは左下の3行1列を0にしたいので、ルール3で1行目を-2倍して3行目に足します。
左下に0が1個できました。次は2行1列も0にします。
ルール3で1行目を-3倍して2行目に足します。
ルール1で2行目と3行目を入れ替えます。
ルール3で2行目を-2倍して3行目に足します。
次はどうやったら左下に0ができるでしょうか。
3行3列の-5か2行2列の-1を0にすれば良さそうですが、行基本変形でも列基本変形でも0にできそうにありません。
ルール3で2行目を-5倍して3行目に足すと3行3列が0になりますが、せっかく0にした3行2列が0じゃなくなってしまいます。こういう後退を伴うような基本変形はやらなくて大丈夫です。
ここで行き止まりになったので階段行列完成です。0以外の成分が含まれている行数は3行あるので
です。
具体例2
ルール3で1行目を-3倍して2行目に足し、続けて1行目を-4倍して3行目に足します。
ルール3で2行目を-1倍して3行目に加えます。
これで終わりです。
です。
具体例3
ルール3で1行目を-2倍して2行目に足し、続けて1行目を-3倍して3行目に足します。
これで終わりです。
です。
まとめ
行基本変形と列基本変形を使って階段行列を作ります。
階段行列の0以外の成分が含まれている行数がランクです。
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