ランクの求め方と階段行列の作り方

こんにちはコーヤです。

このページではランクの求め方を勉強します。連立方程式の分野で重要な自由度や、線形空間の分野で重要な像空間の次元など、ランクが役立つ場面はたくさんあります。

ランクの求め方

行列のランクを求めるためには階段行列が必要です。

階段行列のイメージはこんな感じです。

(a11a12a13a14a1n0a22a23a24a2n000a34a3n0000akn0000000000)

厳密にこの例を見るというより、左下に0を固めてくイメージが伝われば大丈夫です。

階段行列をつくったら0以外の成分が含まれている行数を数えます。

上の例だとk行です。このkがランクです。

階段行列 ランク

階段行列の具体例

階段行列さえ作れればランクは行数を数えるだけです。

階段行列を作るとき、つまり左下に0を固めるときに使うのが行基本変形と列基本変形です。

基本変形のおさらいです。基本変形には3つのルールがあります。

  • 2つの行or列を入れ替える
  • 1つの行or列をスカラー倍する
  • 1つの行or列をスカラー倍して他の行or列に足す

詳しくは行基本変形のページをご覧ください。

それでは具体例3つで階段行列を作る練習をしましょう。

具体例1

A=(123342235)

まずは左下の3行1列を0にしたいので、ルール3で1行目を-2倍して3行目に足します。

(123342011)

左下に0が1個できました。次は2行1列も0にします。

ルール3で1行目を-3倍して2行目に足します。

(123027011)

ルール1で2行目と3行目を入れ替えます。

(123011027)

ルール3で2行目を-2倍して3行目に足します。

(123011005)

次はどうやったら左下に0ができるでしょうか。

3行3列の-5か2行2列の-1を0にすれば良さそうですが、行基本変形でも列基本変形でも0にできそうにありません。

ルール3で2行目を-5倍して3行目に足すと3行3列が0になりますが、せっかく0にした3行2列が0じゃなくなってしまいます。こういう後退を伴うような基本変形はやらなくて大丈夫です。

ここで行き止まりになったので階段行列完成です。0以外の成分が含まれている行数は3行あるので

rankA=3

です。

具体例2

B=(123342465)

ルール3で1行目を-3倍して2行目に足し、続けて1行目を-4倍して3行目に足します。

(123027027)

ルール3で2行目を-1倍して3行目に加えます。

(123027000)

これで終わりです。

rankB=2

です。

具体例3

C=(123246369)

ルール3で1行目を-2倍して2行目に足し、続けて1行目を-3倍して3行目に足します。

C=(123000000)

これで終わりです。

rankC=1

です。

まとめ

行基本変形と列基本変形を使って階段行列を作ります。

階段行列の0以外の成分が含まれている行数がランクです。

コメント欄