こんにちはコーヤです。
このページでは正規直交基底の性質とグラムシュミットの正規直交化法について勉強します。どんな基底でも正規直交基底に変換できるようになります。
正規直交基底の条件1つ
内積空間である3次元列ベクトル空間
正規直交基底は線形空間の基底の応用編です。基底が不安な方はまず基底のページをご覧ください。
線形空間の基底は2つの条件を満たせばどんな定め方をしてもOKでした。
- 線形独立であること
- 線形結合で任意の元を表せること
内積空間の基底もこの2つを満たせばどんな定め方をしてもOKですが、さらに1つ条件を追加してみます。
内積空間の基底
を満たす時、基底
正規直交基底の意味
正規直交基底の条件がどういう意味か考えてみます。
となります。ノルムの性質より
です。つまり、基底のノルムが1になるという条件を表しています。そして、ノルムを1にすることを「正規化する」といいます。
次に
となります。つまり、異なる基底同士は直交しているという条件を表しています。
まとめると正規直交基底は
- 基底が正規化されている
- 異なる基底同士が直交する
この2つの条件を満たす内積空間の基底のことです。
正規直交基底の判定方法
冒頭の
お察しの通り
計算してみるとたしかに正規直交基底の条件を満たします。
見た目的にもノルムが1ですし、お互い直交してそうな感じがします。
次は
この時点でアウトです。残念ながら
でもこれで終わりではありません。内積空間はどんな意地悪な基底で作られていても、グラム・シュミットの正規直交化法という計算で正規直交基底に変換することができます。
グラム・シュミットの正規直交化法
グラム・シュミットの正規直交化法で意地悪なの基底が作っている内積空間を正規直交基底で表現することができます。

3次元内積空間
どちらも基底としてはOKですが右側の
グラム・シュミットの正規直交化法を使うと
それでは具体的な計算方法を見ていきます。上の例で使った
計算の流れは
- 他の変換済み基底
と直交する をつくる を正規化して をつくる
を
を変換
まずは1つ目の基底
まずは他の変換済み基底と直交する
とします。
次に

数値をいれて計算すると
となります。
を変換
次は2つ目の基底
まずは他の変換済み基底

画像より
となります。
ここで画像の長さ
です。2行目で
数値をいれて計算すると
です。
と求まります。
を変換
最後3つ目の基底
まずは他の変換済み基底

画像より
となります。
ここで画像の長さ
です。
数値をいれて計算すると
です。
と求まります。
これで
実際に正規直交基底の条件を計算してみると
を満たしています。
まとめ
正規直交基底は以下2つの条件を満たす内積空間の基底のことです。
- 基底が正規化されている
- 異なる基底同士が直交する
内積空間の基底はグラム・シュミットの正規直交化法で正規直交基底に変換できます。
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