逆三角関数の性質

こんにちはコーヤです。

このページでは、逆三角関数の性質を勉強します。様々な分野で登場するので計算に慣れておきましょう。

逆三角関数の定義

その名の通り三角関数の逆関数のことです。”arc”をつけて表現します。

y=sinxx=arcsiny

三角関数の式を逆関数にしただけです。

それでは3種類の逆三角関数について、グラフや微積を見ていきます。

arcsinの性質

グラフ

y=arcsinxのグラフは以下のような概形です。

定義域は1x1です。

値域は12πy12πです。

微分

y=arcsinxを微分すると以下のようになります。

y=11x2

微分の導出過程です。

x=siny(12πy12π)

両辺yで微分して

dxdy=cosy(0cosy1)

分母分子を入れ替えて

dydx=1cosy=11sin2y=11x2

となります。

積分

arcsinxを積分すると以下のようになります。

arcsinx dx=xarcsinx+1x2+C

積分の導出過程です。部分積分を使って

arcsinx dx=xarcsinxx1x2 dx=xarcsinx+1x2+C

となります。

arccosの性質

グラフ

y=arccosxのグラフは以下のような概形です。

定義域は1x1です。

値域は0yπです。

微分

y=arccosxを微分すると以下のようになります。

y=11x2

微分の導出過程です。

x=cosy(0yπ)

両辺yで微分して

dxdy=siny(0siny1)

分母分子を入れ替えて

dydx=1siny=11cos2y=11x2

となります。

積分

arccosxを積分すると以下のようになります。

arccosx dx=xarccosx1x2+C

積分の導出過程です。部分積分を使って

arccosx dx=xarccosx+x1x2 dx=xarccosx1x2+C

となります。

arctanの性質

グラフ

y=arctanxのグラフは以下のような概形です。

定義域は<x<です。

値域は12π<y<12πです。

微分

y=arctanxを微分すると以下のようになります。

y=11+x2

微分の導出過程です。

x=tany(12π<y<12π)

両辺yで微分して

dxdy=1cos2y

分母分子を入れ替えて

dydx=cos2y=11+tan2y=11+x2

となります。

積分

arctanxを積分すると以下のようになります。

arctanx dx=xarctanx12log(1+x2)+C

積分の導出過程です。部分積分を使って

arctanx dx=xarctanxx1+x2 dx=xarctanx12log(1+x2)+C

となります。

三角関数の合成

三角関数の合成の公式はarctanを使って表現することができます。

合成公式

asinx+bcosx=a2+b2sin(x+arctanba)

asinx+bcosx=a2+b2cos(xarctanab)

導出

図のような適当な点(a,b)を極座標で表します。

a=rcosθb=rsinθr=a2+b2

tanθ=rsinθrcosθ=baθ=arctanba

これらの式を使って導出します。まずはsinの合成公式の導出です。

asinx+bcosx=rcosθsinx+rsinθcosx=r(sinxcosθ+cosxsinθ)=rsin(x+θ)=a2+b2sin(x+arctanba)

次にcosの合成公式の導出です。

acosx+bsinx=rcosθcosx+rsinθsinx=r(cosxcosθ+sinxsinθ)=rcos(xθ)=a2+b2cos(xarctanba)

ここでabを入れ替えると公式が導出できます。

asinx+bcosx=a2+b2cos(xarctanab)

逆三角関数の例題

それでは例題6つで逆三角関数の計算に慣れましょう。逆三角関数で表された値を求める問題と逆三角関数で置換する積分の問題です。

例題1

sin(arccos12)

まずarccosの値を求めます。

arccos12=13π

これを代入します。

sin13π=32

例題2

sin(arccosx)

例題1を一般化した問題です。

逆三角関数が変数になっていたら、文字でおいて普通の三角関数に戻すところから始めます。

変数の範囲の確認を忘れないように注意しましょう。

arccosx=p(0pπ)

文字でおいたら普通の三角関数に戻します。

cosp=x

0pπよりsinp0となるので

sinp=1cos2p=1x2

以上より

sin(arccosx)=1x2

です。

例題3

arctan2+arctan3

arctan2arctan3は具体的な数値がわかりません。こういうときも文字でおいて普通の三角関数に戻すところから始めます。

arctan2=p(12π<p<12π)

文字でおいたら普通の三角関数に戻します。

tanp=2(0<p<12π)

tanpの値が正のため、p>0の範囲であることが分かりました。

同様にarctan3も文字でおきます。

arctan3=q(12π<q<12π)

tanq=3(0<q<12π)

これらの結果を用いて加法定理を使います。

tan(p+q)=tanp+tanq1tanptanq=2+316=1

これを満たすp+qは整数nを用いて

p+q=14π+nπ

と表されます。

ここでp,qの範囲より

0<p+q<π

となるので

p+q=34π

です。これより

arctan2+arctan3=p+q=34π

となります。

例題4

arcsinx+arccosx

文字でおくところから始めます。

arcsinx=p(12πp12π)

文字でおいたら普通の三角関数に戻します。

sinp=x

同様に

arccosx=q(0qπ)

cosq=x

以上より

sinp=cosq

です。ここでcosqsinに変換します。

cosq=sin(12πq)(12π12πq12π)

変換には以下の公式を使いました。

cosθ=sin(12πθ)

以上より

sinp=sin(12πq)

となるので

p=12πq

です。これを用いて与式は

arcsinx+arccosx=p+q=12π

となります。

例題5

11x2 dx

x=sintと置換します。

x=sint(12πt12π)

これより

t=arcsinx(1x1)

両辺xで微分して

dtdx=11x2

これを積分に代入して

11x2 dx= dt=t+C=arcsinx+C

となります。

例題6

11+x2 dx

x=tantと置換します。

x=tant(12π<t<12π)

これより

t=arctanx(x)

両辺xで微分して

dtdx=11+x2

これを積分に代入して

11+x2 dx= dt=t+C=arctanx+C

となります。

まとめ

逆三角関数のグラフは以下のとおりです。

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