こんにちはコーヤです。
このページでは行列の
乗の計算の流れ
行列
行列
となります。このように対角行列であれば
対角行列のこの特性を使って、対角行列ではない行列
行列
この式を両辺
となります。右辺の
となります。隣り合った
この結果を式(1)に代入して
です。左辺の
これで
乗の計算方法3パターン
それでは具体的な計算を見ていきます。
対角化できる場合、ジョルダン標準形になる場合、ケーリー・ハミルトンの定理を使う場合の3パターンです。
このページでは対角化の計算が終わった状態からスタートします。対角化までの計算は全パターン計算のページで行っていますのでご覧ください。
Pattern1. 対角化できる場合
行列
対角行列
です。
これを
これで
![](https://darts25.com/wp-content/uploads/2021/06/2dd40c116bfdacd6dde4a57397a77a41.jpeg)
試験本番では試しに
Pattern2.ジョルダン標準形になる場合
行列
対角行列
まずはジョルダン標準形から対角行列と対角行列ではない部分に分解します。分解した行列のうち対角行列を
この2つの行列を用いて
と分解できます。
したがって
二項定理は以下の公式です。
行列
前述の通り
二項定理で展開した式がすっきりしました。
正の整数
が成り立つような行列
行列
ここまで来たら、各項を地道に計算していきます。
これらを式(4)に代入して
きれいになるように調整してあげて
これを式(2)に代入して
これを
これで
Pattern3. ケーリー・ハミルトンの定理を使う場合
ケーリー・ハミルトンの定理は行列の次数を下げるときに便利な定理です。
ケーリー・ハミルトンの定理
行列
これがケーリー・ハミルトンの定理です。
2次の行列
とすると固有方程式は
よって
として
となるので、ケーリー・ハミルトンの定理より
となります。この結果を使えば
このように
さて、定理を勉強したところで計算に戻ります。
行列
この行列
なのでケーリー・ハミルトンの定理より
となります。右辺に移項して
となるので
ここらへんまで計算すれば
まず
となります。これで証明終了です。
以上より
これで
まとめ
行列の
ジョルダン標準形は対角行列と冪零行列に分解して計算するか、ケーリー・ハミルトンの定理と数学的帰納法を組み合わせて計算します。
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