新卒で就職したSIerを2年で辞めた理由

こんにちはコーヤです。

このページでは、新卒で就職したSIerを2年で辞めた理由を記載します。

私と同じくSIerに就職したものの不満がある社会人や、SIerに就職しようか検討している就活生の参考になれば幸いです。

SIerを辞めた理由2点

辞めた理由は以下2点です。

  1. 毎日つまらない単純作業をするだけで、自分の能力が下がっていく恐怖感があったから
  2. 自分が将来なるであろう先輩社員の業務に魅力を感じず、働き続けることに虚無感があったから

以下でそれぞれ詳細を述べますが、その前に私が配属されたプロジェクトの構造を整理しておきます。

プロジェクトの構造

会社視点で見たプロジェクトの構造

プロジェクトには多くのSIerとその協力会社が関わっており多重請負構造になっていました。私が所属するSIerは3段目を構成している一社でした。

私視点で見たプロジェクトの構造

私が配属されたプロジェクトは生命保険会社が社内で使用している保険契約を管理するシステムの保守運用でした。

チームは40名くらいです。ピラミッド3段目の自社SIerから先輩と私の2名、ピラミッド4段目5段目の協力会社から合わせて38名くらいという構成でした。

先輩はプロジェクトマネージャーとして40名の指揮を取るポジションです。

私は小分けされたチームのメンバーとして参加することになりました。若手のうちは現場作業を経験し、将来的にプロジェクトマネージャーになるというルートだそうです。

辞めた理由2点

1. 恐怖感

辞めた理由1つ目は「毎日つまらない単純作業をするだけで、自分の能力が下がっていく恐怖感があったから」です。

私が2年間で行った業務は主に以下3点です。

  1. 昔の設計書から変更された箇所が赤字で書かれたままなので、黒字に変更して体裁を整える作業
  2. 設計書の仕様通りのシステムかどうか、手作業で値を入力し目視で出力を確認する作業
  3. 偉い人たちの会議内容をレコーダーに録音し、その録音を書き起こす作業

各作業の詳細は割愛しますが、総じて言えるのはなんの能力も必要ではなくただ時間だけが無駄にかかる単純作業ということです。

自動で黒字にするマクロを組もうとか、テスト自動化ツールを導入しようとか、音声書き起こし機能を使おうとか、そういう改善は禁止されています。最重要事項は生命保険会社のセキュリティルールを守ることなので、ルールに記載されていないツールを使うことはできません。

セキュリティルールの範囲内で改善するとしても、業務を効率化することは自社SIerにとって望ましくありません。無駄に時間がかかる作業かつ誰でもできる作業だからこそ生保IT子会社はSIerに委託し、SIerは協力会社に委託し、という多重請負構造が成り立っています。

業務が効率化された場合(極端に言えば全自動になってしまった場合)、自社SIerと協力会社で担当する仕事がなくなってしまいます。仕事がなくなれば売上が減少します。多重請負構造では単純作業が重要な収入源なのです。

こういった理由で単純作業を担当していましたが、自分の能力がどんどん下がっていく実感があり恐怖感を感じました。

2. 虚無感

辞めた理由2つ目は「自分が将来なるであろう先輩社員の業務に魅力を感じず、働き続けることに虚無感があったから」です。

自社の社員が先輩と私しかいないため、おそらく先輩社員のポジションを継ぐことになるだろうというのは予想がつきますし、そういったことを上司からも伝えられていました。

私から見た先輩社員の仕事内容は主に2つでした。

  1. 他社SIerではなく自社SIerに業務を振り分けてもらうために生保IT子会社に交渉すること
  2. 業務量が増加して協力会社社員に負荷がかかっても協力関係を維持するために交渉すること

この仕事内容を良く言えば、各方面と円滑な人間関係を築いて事業を拡大しつつ効率的に業務を遂行する土台を作ることです。

ですが私から見たその仕事内容は、多重請負構造のピラミッドの中で自社SIerが中抜きできる金額を増やすために各方面にゴマをすっておくことに見えました。

現状の単純作業に耐えて出世したその先にゴマすりの日々が待っていると思うと、この部署で働き続けることへの虚無感を感じました。

すぐに辞められなかった理由

私が就職したSIerは有名な超大手企業で、おそらく就職先として人気が高いほうだと思います。

仕事内容は全く楽しくありませんでしたが、それでも給料の高さ、残業の少なさ、有給の取りやすさなどの待遇面はしっかりしていました。

大学生のときに経験したスポーツジム業界とダーツ業界はどちらも楽しくて充実感がありましたが、待遇面はイマイチでした。

長い人生を考えたとき、充実感と待遇面のどちらを重視するべきか私には分かりませんでした。

ただ、スポーツジム業界やダーツ業界は門戸が広い業界ですし、自分にある程度の実力があるので戻ろうと思えばすぐ戻れると思っていました。

SIerは新卒カードを使って入社した会社です。自分に実力はありません。戻ろうと思っても戻れないだろうと思い、ズルズルとSIerで働き続けていました。

仕事を変えるために取った行動

SIerの待遇面、スポーツジム業界ダーツ業界の充実感、その両方があるのが自分にとってベストな状態です。

幸いなことにSIerの仕事は9時〜18時で、スポーツジム業界ダーツ業界は18時以降の出勤でOKです。なので、朝から夕方までSIerで働いて夜はスポーツジム業界かダーツ業界で働こうと思いました。

しかしSIerは副業禁止の規則があります。そこで先輩社員、課長、部長に副業を許可してほしいという相談をしました。

部長の解答はNOでした。部長の権限で副業を認めるのは無理とのことです。

ですがSIerの仕事に対する恐怖感と虚無感は汲み取っていただけて、部長の権限が届く範囲内でプロジェクトを変更してくれるという話になりました。

私が配属された保険契約を管理するシステムの保守運用プロジェクトから別のプロジェクトに行けるということでしたが、部長の権限の範囲内だと生命保険会社のピラミッド3段目であることは代わりありませんでした。

プロジェクト変更すれば現状の作業のつまらなさから一時的に解放されるかもしれませんが、ピラミッド3段目にいる以上、根本的な解決には至らないだろうという疑問がありました。

とりあえずプロジェクト変更を受け入れるか思い切って転職するか悩んでいたとき、たまたま事業部長と話せる機会があったので、同じ相談を事業部長にしました。

事業部長の反応は部長と同じで、副業は認められないけど事業部長の権限が届く範囲内で部署異動してくれるという話になりました。

事業部長の権限の範囲内となると部長の時とは話が変わり、生命保険会社のピラミッドから脱出できます。

生命保険会社のピラミッド構造が嫌なだけで自社SIerに対しての不満はあまりなかったですし、私が新卒配属面談の時に希望を出して落選した部署に異動させてくれるとのことでした。

生命保険会社のピラミッドから脱出しつつ希望していた部署に異動できる選択肢が生まれたので、最終的に部署異動をお願いすることにしました。

現状維持、部署異動、転職、どれが正解か

このページを書いているのは2022年9月で、異動は2022年10月です。

なので現時点では現状維持、部署異動、転職のどれが正解だったのかは分かりません。

今回の件で人事的なマイナス評価はついていると思います。穏便に済ませたいなら現状維持が正解でしょうし、人事評価を気にせずに仕事を変えたいなら転職が正解だと思います。

ただ、私のように「〇〇の仕事がやりたいから」ではなく「今の仕事が嫌だから」のようなネガティブな理由で転職活動しても面接に通らないと思いますし、今の仕事への不満を原動力に行動し始めた以上、現状維持を選択することは考えられませんでした。

なので私にとっては部署異動が正解だったと思います。(認知的不協和で正解だと思いこんでいるだけかもしれませんが。。。)

部署異動を選択したことがどう影響するのかまだ分かりませんが、少なくとも生命保険会社のピラミッドから脱出できたことで一時的な安心感は得ています。

来月からもともと希望していた部署での仕事です。頑張ります。

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