テイラー展開の計算方法

こんにちはコーヤです。

このページでは、テイラー展開の計算方法と展開の意味を勉強します。テイラー展開は微分方程式や指数行列など多くの分野で活躍します。

テイラー展開の導出

関数f(x)x=aで接する接線lを考えます。接線lは以下の式です。

l:y=f(a)+f(a)(xa)

x=aの部分を拡大すればf(x)lはほぼ同じ関数とみなすことができます。

f(x)f(a)+f(a)(xa)

ですがf(x)は曲線なので、直線だけで近似するのは厳しいです。もう少し近似精度を上げるために2次式も追加してみます。

(1)f(x)f(a)+f(a)(xa)+px2+qx+r

x=a付近で式(1)を満たすp,q,rを計算しましょう。

両辺を1階微分、2階微分します。

(2)f(x)f(a)+2px+q

(3)f(x)2p

式(1)(2)(3)にx=aを代入します。

f(a)f(a)+pa2+qa+rf(a)f(a)+2pa+qf(a)2p

この3式より

pa2+qa+r=02pa+q=02p=f(a)

を満たせば近似が成り立つので、これを解いて

p=12f(a)q=af(a)r=12a2f(a)

よって

px2+qx+r=12f(a)(xa)2

これを式(1)に代入して

f(x)f(a)+f(a)(xa)+12f(a)(xa)2

となります。これで2次式まで使った近似式ができました。

同じ要領で3次式も使った近似式を求めると

f(x)f(a)+f(a)(xa)+12f(a)(xa)2+16f(a)(xa)3

こうなります。これを繰り返してn次式まで使うと

f(x)k=0n1k!f(k)(a)(xa)k

となります。nとすることで近似精度が高まり、もはや近似式ではなく等式になります。

f(x)=n=01n!f(n)(a)(xa)n

この等式がテイラー展開の公式です。

近似精度の検証

本当にテイラー展開の公式は近似できているのか、以下の関数で確かめてみましょう。

f(x)=x21x

この関数をx=2でテイラー展開します。

テイラー展開の準備

テイラー展開ではn次導関数が必要なので、先に計算して準備しておきましょう。

f(n)(x)=x(2x)(1x)2(n=1)f(n)(x)=n!(1x)n1(n2)

1次式で近似

f1(x)=n=011n!f(n)(2)(x2)n=f(2)+f(1)(2)(x2)=4

2次式で近似

f2(x)=n=021n!f(n)(2)(x2)n=f1(x)+12f(2)(2)(x2)2=x2+4x8

3次式で近似

f3(x)=n=031n!f(n)(2)(x2)n=f2(x)+16f(3)(2)(x2)3=x37x2+16x16

4次式で近似

f4(x)=n=041n!f(n)(2)(x2)n=f3(x)+124f(4)(2)(x2)4=x4+9x331x2+48x32

5次式で近似

f5(x)=n=051n!f(n)(2)(x2)n=f4(x)+1120f(5)(2)(x2)5=x511x4+49x3111x2+128x64

近似のGIF画像

f1からf5までを順番に表示するGIF画像です。徐々に近似精度が高くなっていることが分かると思います。

マクローリン展開との関係性

x=0でのテイラー展開をマクローリン展開と呼びます。

マクローリン展開の公式は以下の式です。

f(x)=n=01n!f(n)(0)xn

テイラー展開の公式にa=0を代入しただけです。

まとめ

テイラー展開の公式は以下の式です。

f(x)=n=01n!f(n)(a)(xa)n

マクローリン展開の公式は以下の式です。

f(x)=n=01n!f(n)(0)xn

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