面積と曲線の長さの計算方法

こんにちはコーヤです。

このページでは、面積と曲線の長さの計算方法を勉強します。陽関数表示、媒介変数表示、極座標表示の3パターンです。

面積と曲線の長さの公式

陽関数表示、媒介変数表示、極座標表示の3パターンにおいて、面積Sと曲線の長さLを以下のように決めます。

このとき、それぞれの表示形式において面積Sと曲線の長さLの公式は以下の式です。

陽関数表示の公式

S=abf(x) dxL=ab1+f(x)2 dx

媒介変数表示の公式

S=pqf(t)g(t) dtL=pqf(t)2+g(t)2 dt

極座標表示の公式

S=12αβf(θ)2 dθL=αβf(θ)2+f(θ)2 dθ

それでは例題で計算しましょう。

面積と曲線の長さの例題

陽関数表示の例題

y=f(x)=coshx(0xlog2)

この関数の面積Sと曲線の長さLを計算します。

まずは面積Sの計算です。

S=0log2f(x) dx=0log2coshx dx=[sinhx]0log2=sinh(log2)=34

次に曲線の長さLの計算です。

f(x)=sinhx

より

L=0log21+f(x)2 dx=0log21+sinh2x dx=0log2cosh2x dx=0log2|coshx| dx=0log2coshx dx=34

途中の絶対値が出てくる式は、0xlog2の範囲でcoshx>0なので絶対値が外れます。

最後の積分計算は面積Sと同じ積分なので計算過程を省略しました。

媒介変数表示の例題

x=f(t)=tsinty=g(t)=1cost(0t2π)

この関数の面積Sと曲線の長さLを計算します。サイクロイドと呼ばれる関数です。

まずは面積Sの計算です。

f(t)=1cost

より

S=02πf(t)g(t) dt=02π(1cost)(1cost) dt=02π12cost+cos2t dt=1202πcos2t4cost+3 dt=12[12sin2t4sint+3t]02π=3π

次に曲線の長さLの計算です。

g(t)=sint

より

L=02πf(t)2+g(t)2 dt=02π(1cost)2+sin2t dt=02π22cost dt=02π4sin2t2 dt=02π|2sint2| dt=02π2sint2 dt=[4cost2]02π=8

途中の絶対値が出てくる式は、0t2πの範囲でsint2>0なので絶対値が外れます。

極座標表示の例題

r=f(θ)=1+cosθ(0θπ)

この関数の面積Sと曲線の長さLを計算します。カージオイドと呼ばれる関数です。

まずは面積Sの計算です。

S=120πf(θ)2 dθ=120π(1+cosθ)2 dθ=140πcos2θ+4cosθ+3 dθ=14[12sin2θ+4sinθ+3θ]0π=34π

次に曲線の長さLの計算です。

f(θ)=sinθ

より

L=0πf(θ)2+f(θ)2 dθ=0π(1+cosθ)2+(sinθ)2 dθ=0π2+2cosθ dθ=0π4cos2θ2 dθ=0π|2cosθ2| dθ=0π2cosθ2 dθ=[4sinθ2]0π=4

途中の絶対値が出てくる式は、0θπの範囲でcosθ20なので絶対値が外れます。

公式の導出

それぞれの公式の導出を行います。

陽関数表示の公式の導出

まず面積Sの公式を導出します。

直接ΔSを計算することはできないので、はさみうちで評価します。

ΔSより小さい面積として、幅Δxで高さyΔyの長方形があります。

ΔSより大きい面積として、幅Δxで高さyの長方形があります。

よって

(yΔy)Δx<ΔS<yΔx

とはさみうちができます。不等式を整理して

yΔy<ΔSΔx<y

ここでΔx0のときΔy0なので

y<dSdx<y

となります。よって

dSdx=y

両辺をaxbの範囲のxで積分して

S=aby dx

となります。

次に曲線の長さLの公式を導出します。

ΔLを直線だと近似して、三平方の定理より

ΔL(Δx)2+(Δy)2=1+(ΔyΔx)2Δx

Δxを移項して

ΔLΔx1+(ΔyΔx)2

ここでΔx0のとき

dLdx=1+(dydx)2

両辺をaxbの範囲のxで積分して

L=ab1+(dydx)2 dx

となります。

媒介変数表示の公式の導出

面積Sの公式は陽関数の公式の変数をx=f(t)と置換すれば求まります。

S=aby dx=pqydxdt dt

曲線の長さLの公式も陽関数のときと同じような計算です。

三平方の定理より

ΔL(Δx)2+(Δy)2=(ΔxΔt)2+(ΔyΔt)2Δt

Δtを移項して

ΔLΔt(ΔxΔt)2+(ΔyΔt)2

ここでΔt0のとき

dLdt=(dxdt)2+(dydt)2

両辺をptqの範囲のtで積分して

L=pq(dxdt)2+(dydt)2 dt

となります。

極座標表示の公式の導出

まず面積Sの公式を導出します。

直接ΔSを計算することはできないので、はさみうちで評価します。

ΔSより小さい面積として、半径rで中心角Δθの扇形があります。

ΔSより大きい面積として、半径r+Δrで中心角Δθの扇形があります。

よって

r2πΔθ2π<ΔS<(r+Δr)2πΔθ2π

とはさみうちができます。不等式を整理して

12r2<ΔSΔθ<12(r+Δr)2

ここでΔθ0のときΔr0なので

12r2<dSdθ<12r2

となります。よって

dSdθ=12r2

両辺をαθβの範囲のθで積分して

S=12αβr2 dθ

となります。

次に曲線の長さLの公式を導出します。陽関数のときと同じように三平方の定理で近似します。

図のΔLΔrと点線で示す半径rで中心角Δθの扇形の弧の3辺で三角形を作ります。

半径rで中心角Δθの扇形の弧の長さは

2rΔθ2ππ=rΔθ

です。これを使って三平方の定理より

ΔL(rΔθ)2+(Δr)2=r2+(ΔrΔθ)2Δθ

Δθを移項して

ΔLΔθr2+(ΔrΔθ)2

ここでΔθ0のとき

dLdθ=r2+(drdθ)2

両辺をαθβの範囲のθで積分して

L=αβr2+(drdθ)2 dθ

となります。

まとめ

陽関数表示、媒介変数表示、極座標表示の3パターンにおいて、面積Sと曲線の長さLを以下のように決めます。

このとき、それぞれの表示形式において面積Sと曲線の長さLの公式は以下の式です。

陽関数表示

S=abf(x) dxL=ab1+f(x)2 dx

媒介変数表示

S=pqf(t)g(t) dtL=pqf(t)2+g(t)2 dt

極座標表示

S=12αβf(θ)2 dθL=αβf(θ)2+f(θ)2 dθ

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