こんにちはコーヤです。
このページでは、知っていると便利な積分のテクニックとしてワイエルシュトラス置換、キングプロパティ、矢印部分積分(瞬間部分積分)の3つを勉強します。
ワイエルシュトラス置換
概要
被積分関数が三角関数で表されるとき、被積分関数をべき関数に置換するテクニックです。
と置換することで
このように変換できます。
導出
倍角の公式、半角の公式を駆使して計算します。
例題
ワイエルシュトラス置換を使います。定積分なので積分範囲の計算もしましょう。
よって
変数を
よって
となります。
キングプロパティ
概要
関数の対称性に注目して定積分の値を簡単に求めるテクニックです。
以下の2パターンのどちらかを使うことが多いです。
導出
変数を
よって
ここで
なので
となります。これで公式の1つ目が導出できました。
2つ目の公式は
と導出できます。
例題
2つ目の公式を使います。
変数を
よって
となります。
矢印部分積分(瞬間部分積分)
概要
矢印を使って部分積分を簡単に計算するテクニックです。1回だけ部分積分する場合も矢印で簡単になりますが、特に複数回連続で部分積分をするときは効果バツグンです。

瞬間部分積分と呼ばれるテクニックとほぼ同じです。私が高3のときは矢印を使うやり方で習ったので、勝手に矢印部分積分と呼んでいます。
この公式を矢印を使って計算します。計算方法は4ステップです。
- 矢印で微積を下書きする
- 矢印の根本の積を書く
- 下段の積の積分を書く
- 符号でつなげる
ステップ1. 矢印で微積を下書きする
矢印の根本から先に向かって微分するように方向を合わせましょう。
ステップ2. 矢印の根本の積を書く
ステップ3. 下段の積の積分を書く
ステップ4. 符号でつなげる
これで完成です。矢印と下段は下書きなので消してしましましょう。
この公式ができました。
例題1
この積分を矢印を使って計算してみます。
ステップ1です。矢印で微積を下書きします。
ステップ2です。矢印の根本の積を書きます。
ステップ3です。矢印の下段の積の積分を書きます。
ステップ4です。符号でつなげます。
これで完成です。矢印と下段は下書きなので消してしましましょう。
計算終了です。
例題2
この積分を矢印を使って計算してみます。
ステップ1です。矢印で微積を下書きします。
ステップ2です。矢印の根本の積を書きます。1段目の矢印、2段目の矢印、3段目の矢印と順に書きます。
ステップ3です。矢印の下段の積の積分を書きます。最下段だけです。
ステップ4です。符号でつなげます。マイナス、プラス、マイナスと交互につなげます。
これで完成です。矢印と下段は下書きなので消してしましましょう。
計算終了です。
まとめ
置換積分はワイエルシュトラス置換とキングプロパティを知っておくと便利です。
部分積分は矢印を使うと簡単に計算できるようになります。
コメント欄