こんにちはコーヤです。
このページでは線形空間を生成する基底とその次元について勉強します。基底と次元は今後出てくる様々な空間で必要になる知識です。
基底の雰囲気
空間を表現する素材みたいなもののことを基底といいます。
例えば私たちが住んでいる世界は縦、横、高さの3つが基底です。これをもっと数学っぽく表現してみましょう。
線形空間
線形空間の基底の条件2つ
3次元列ベクトル空間
これ以外にも
- 線形独立であること
- 線形結合で任意の元を表せること
この2つの条件がどういう意味なのか、詳しく見ていきましょう。
線形独立と線形従属の判定方法
まずは線形独立と線形従属の判定から始めます。
判定のときに使われるのが線形関係式です。線形空間
このとき
線形関係式を解くときに同次連立1次方程式が出てきます。自由度が0かどうかで線形独立と線形従属を判断するので、自由度が不安な方は同次連立1次方程式のページをご覧ください。
線形独立の具体例
具体例1
これを行列形式に変形して
未知数の数は
となります。つまり
具体例2
これを行列形式に変形して
未知数の数は
となります。つまり
線形従属の具体例
線形従属となる具体例2つです。
具体例1
これを行列形式に変形して
未知数の数は
となります。つまり
具体例2
これを行列形式に変形して
未知数の数は
となります。つまり
線形結合で任意の元を表せるか
基底の条件2つ目の線形結合で任意の元を表せるかを調べます。
線形結合は線形関係式の右辺が変わった式です。線形空間
線形結合を解くときに非同次連立1次方程式が出てきます。不安な方は非同次連立1次方程式のページをご覧ください。
線形結合の具体例
線形独立である
基底が欠けた場合も含めて具体例3つです。
具体例1
これを行列形式に変形して
拡大係数行列を階段行列に変形して(この例は変形しなくても階段行列になっています)
これを解くと
となります。このような
具体例2
これを行列形式に変形して
拡大係数行列を階段行列に変形して
これを解くと
となります。このような
具体例3
これを行列形式に変形して
拡大係数行列を階段行列に変形して(この例は変形しなくても階段行列になっています)
係数行列のランクより拡大係数行列のランクの方が大きいので
解なしでは線形結合を満たせないため
見た目的にも
線形空間の次元
線形空間
と表し、基底の数が
になります。
基底は
同じ線形空間
基底を明示したいときは
まとめ
基底は以下の2つの条件を満たせばどんな定め方をしてもOKです。
- 線形独立であること
- 線形結合で任意の元を表せること
基底の数が
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